2011年06月28日

「8020運動」は幼児期から

 病気になってから診療所や病院に行くというのが従来の考え方でした。一方、病気にかからない努力もかなり前から進められています。不老不死は無理としてもアンチエージング(抗加齢)についての話題には事欠きません。年をとると視力が低下し、耳が遠くなり、歯が抜け落ちるのは当然と思われていました。しかし、現在では歯が抜け落ちることは老化現象から仲間外れになりつつあります。

 89年に始まった80歳で20本の歯を残そうとする「8020(ハチマルニマル)運動」は大きな成果を上げています。達成者は全国平均(05年度歯科疾患実態調査)では20%を優に超え、調査年の本年ではかなり高い値が期待できます。

 老年期に近づいてから口腔(こうくう)に関心を持っても間に合わないことがあります。私たちは病院の母親学級に歯科の立場で積極的に参加してきました。妊婦に対して、妊娠中の歯と口腔衛生の重要性を説明し、誕生後の赤ちゃんのための実習もしています。

 一昔前は、妊娠すると歯がだめになり、1人出産するごとに歯を1本失うといわれました。現在は出産数が少ないので目立たないだけなのでしょうか。そうではありません。つわりの時に刺激の強い歯磨剤を使うと、気持ち悪くなって磨けない人が多く出て口腔内が不潔になるからです。そういう方には、小さな歯ブラシに水だけつけて、体調の良いときに磨くことをお勧めします。

 また、赤ちゃんには歯が生える前から、授乳後に口の周りをふきながら口の中も指で触り、慣れさせますと乳歯が出た後も歯磨きを嫌がりません。少し大きくなれば親の歯磨きを見て子どもたちが毎食後磨くようになります。

 幼児期の親の愛情は子どもにとって一生の宝です。子どもの口腔衛生状態を気にかけないことはネグレクトの一つで、多数の虫歯や重症の歯肉炎が見られることがあり、口の中を診ると児童虐待の有無が想像できます。親の管理下にある12歳の永久歯の平均虫歯数は1・4本です。親の思いが子どもの心に残り、多くの人は口腔のケアが習慣になり、一生を通じて歯を残すことにつながるのでしょう。
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posted by 8020 at 07:51| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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