2011年07月13日

小児科疾患・耳鼻咽喉科疾患・救急

小児の口腔内刺創、CT検査を
鉛筆や歯ブラシ刺創、的確な診断で的確な治療に

小児科疾患・耳鼻咽喉科疾患・救急
鉛筆で口腔内に刺創を負った女児のケースと歯ブラシで喉を突かれた女児のケースを示し、口腔内の刺創では積極的にCT検査を実施すべきと強調した。

5mmの芯を摘出
 1例目は、CTによって、喉に刺さった鉛筆の芯がうまく診断されたケース。

 11カ月の女児が鉛筆をくわえていたところ、姉が背中を押して、鋭端が口腔内に刺さった。直後に鉛筆は取り出された。問題になったのは、芯の先端が折れて見当たらなかったこと。口腔内から出血も見られたために、女児は救急受診した。

 鉛筆の芯は画像診断。最初に頸部単純X線写真を撮影して、上咽頭の咽頭後壁に異物影が見られた。さらに、頭頸部単純CT検査を実施し、CT値が370HUから390HUの異物が上咽頭の後壁に確認された。鉛筆の芯による、上咽頭異物と診断した。

 治療の結果、女児は良好に回復した。冨田氏らから依頼を受けた耳鼻科医が、全身麻酔で、咽頭扁桃の右側にあった傷を確認し、5mmほどの鉛筆の芯を摘出する手術を実施した。入院期間は6日ほどで、退院に至った。

膿瘍が画像に写る
 もう1例は、歯ブラシの柄で喉が突かれたケース。2歳の女児が歯ブラシをくわえて、転倒して、歯ブラシの柄が喉の壁を突いた。喉から出血があったものの、ほどなく血は止まった。

 受診したきっかけは、転倒した翌日に咳が出て、発熱、喘鳴があって、呼吸苦が出現したためだった。

 救急外来を受診して、炎症が疑われる所見が見られた。胸部単純X線写真では、右肺野に浸潤影があって、肺炎と診断されて入院となった。

 そのほかの所見も肺炎を疑わせるに十分だった。体温は38度、血中の酸素飽和度は93%。両肺野に湿性ラ音が聞かれた。血液所見は、白血球が1万3270/μLで、CRPが22.8mg/dLと炎症反応の上昇が見られた。右側軟口蓋には、微小な点状の粘膜下出血が見られた。

 問題となったのは、入院後に抗菌薬でなかなか解熱しなかった点だ。その後、女児が「頸部を動かせない」「食事を取りたくない」と訴えるようになり、担当医は歯ブラシを喉に突いた点を重視。頸部のCT撮影を実施した。その結果、咽頭後壁の肥厚を確認。咽頭後壁から鎖骨上までの膿瘍の進展と診断した。担当医は、抗菌薬を変更して、10日間投与。膿瘍が消失して、回復に向かった。

小児1割で経験
 咽頭への刺創はまれではないと注意を促した。長野県の報告では、物を口にくわえて受傷した経験は、1割程度の小児で確認されていた。おもちゃが3割弱で最も多く、歯ブラシが2割弱と2番目に多かった。

 合併症は、重症となる可能性もある。口腔粘膜外傷の感染合併のほか、頭蓋内損傷、頸動脈や頸静脈の血管損傷、縦隔気腫、頬脂肪体脱出、鼻腔穿孔などが報告される。「深部の合併症は注意を要し、合併症を疑った場合には、迅速に結果が得られるCT検査が有用」と述べた。
ラベル:
posted by 8020 at 07:55| 歯ブラシ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。