2008年03月11日

世界で行われているインプラントの研究報告A

・インプラントナビゲーションシステムの報告
CTデーターを用いて2種類のコンピューター支援ナビゲーションシステムを用いての研究です。下顎インプラント埋入に必要とされる埋入の正確性と外科処置にかかる時間を比較したものです。
研究の結果、2種類のナビゲーションシステムは臨床的にはほとんど同じように正確でありました。平均誤差は1o以内という報告でした。ただインプラント治療での1oはかなり大きな差となる事もあるのが現状です。一概にこれだけを信用してぎりぎりの手術はやはり難しそうです。ただ一つの道具としては十分活用できるもののようです。またその優れたシステムによって平均手術時間は早いと報告されていました。

・放射線照射された骨の血流量
放射線照射された骨は、オッセオインテグレーション(インプラントと骨の結合)を阻害すると報告されています。特に照射量が50Gyを超えるとインプラント生存率は低下します。照射骨では、細胞数が減少し、低酸素状態になり、血流が減少していることが示されています。その結果、骨のリモデリング能が減退し、インプラント生存率が低下すると考えられています。
研究の結果、放射線照射が施行された上下顎歯槽骨は、非照射骨と比較して血流量が減少しているであろうという仮説が確かめられました。またこの研究で用いられた装置(LDF)は歯槽骨の血流量の評価に再現性があると確認されました。しかしまだしっかりとした線引きには至らないので今後の研究が楽しみであります。

・インプラントの表面性状に関する研究
チタンインプラント表面へのオッセオインテグレーションには、物理的性質と化学的性質の両者が影響します。表面形態や粗さなどの物理的改変は、インプラント埋入から回復までの治癒期間を短縮します。化学的改変は、インプラント表面におけるイオン相互作用やタンパク添加、細胞活性に影響を及ぼします。さらに生体内の複雑なタンパクあるいは細胞同士の相互作用を通じ、生物学的な反応に変化をもたらし、最終的には臨床レベルのエビデンス(科学的根拠)にまで影響を与えます。
研究の結果、インプラント表面の化学的改変がオッセオインテグレーション中の生物学的変化に影響するという説を支持するものです。これらの事は、インプラント治療の治癒過程を促進し得るもので、インプラント治療の短縮につながり得るものとして期待し見守りたいものです。


ラベル:インプラント
posted by 8020 at 20:35| Comment(1) | TrackBack(0) | インプラント研究報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは。
先生はいつもよく勉強していますね。
僕も負けないように頑張ります!
歯医者の僕がとても勉強になります。

Posted by Y.M at 2008年03月11日 20:39
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス: [必須入力]

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。