2008年03月18日

世界で行われているインプラント研究報告D

デンタルインプラントへの即時・早期・通常の負荷の影響:

インプラントの予知性を得るためには、インプラントの初期固定と微小動揺のないことが重要な2つの要素となります。微小動揺があると軟組織による被包化が生じます。このリスクを最小限にするために、インプラントの免荷期間が推奨されています。しかし1990年以降、限られた条件で臨床的に用いられるようになり、今では一般的になってきています。臨床的な状態やインプラント表面性状が免荷期間の違いによるインプラントの成功率に影響するかどうかを研究したものです。
インプラントの埋入後に即時あるいは早期に負荷を与えられるかは、私達にとっても重要な問題です。なぜなら、治療期間を著しく短縮するという患者さんの利益につながるからです。この研究では負荷の時期による差はなかったと報告されています。ただこのインプラント例は厳選されていて理想的な候補を行っています。誰にでも当てはまるものではないので、やはり一人一人きちんとした検査を踏まえて的確な判断が必要とされるものだと思いました。
ラベル:インプラント
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2008年03月13日

世界で行われているインプラント研究報告C

機械研磨および酸エッチング・スクリュータイプインプラントにおける一次固定:

インプラントの初期固定は、初期のオッセオインテグレーショーンに影響を及ぼします。不十分な初期固定は骨―インプラント界面における微小動揺を招き、骨治癒過程に影響し、結果として繊維性被包をもたらします。しかし初期固定の機能は不明であります。
そこで初期固定の不良な状態において機械研磨インプラントと酸エッチングインプラントにおけるオッセオインテグレーショーンを比較したものです。
酸エッチングインプラントは術後一次固定のいかんに関わらず、機械研磨インプラントよりも高い骨インプラント接触率とリムーバルトルク値を示しました。またこの研究では初期固定は骨―インプラント相互作用に影響していませんでした。このことからオッセオインテグレーションには初期固定より表面処理が重要であることが示唆されました。
歴史的には機械研磨インプラントは長いものを持ちますが、現在の世界的な流れとしては酸エッチングインプラントが主流であります。40年後のことを言われれば機会研磨にしか実績はありませんが酸エッチングインプラントも10年以上の報告はあります。初期固定は問題ないという報告ではありますが、これについては多数異議を唱える先生方がいると思います。

ラベル:インプラント
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2008年03月12日

世界で行われているインプラント研究報告B

ハイドロキシアパタイトコーテッド(HA)インプラントの長期観察:

HAインプラントの長期観察成績(8〜10年)が報告されています。HAインプラントとチタンインプラントの長期成績を比較したものです。
結果、HAインプラントの成功率は82%と報告されているので、スレッド型チタンインプラントよりも劣っていることがこの研究では示された事になります。HAインプラントが敬遠されている理由は不安定で細菌感染増大を招き、急速な骨破壊を引き起こします。よってチタンインプラントを上回る利点は何も見出せないという報告がされているからです(1991年Albrektssonらの報告)。また、HAインプラントは長期にわたる成績の報告がないのです。
あくまで個人的な意見として、完全に否定する物ではないかもしれませんが、今後画期的な変化がない限りインプラントの主流になることは考えづらいです。
ラベル:インプラント
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2008年03月11日

世界で行われているインプラントの研究報告A

・インプラントナビゲーションシステムの報告
CTデーターを用いて2種類のコンピューター支援ナビゲーションシステムを用いての研究です。下顎インプラント埋入に必要とされる埋入の正確性と外科処置にかかる時間を比較したものです。
研究の結果、2種類のナビゲーションシステムは臨床的にはほとんど同じように正確でありました。平均誤差は1o以内という報告でした。ただインプラント治療での1oはかなり大きな差となる事もあるのが現状です。一概にこれだけを信用してぎりぎりの手術はやはり難しそうです。ただ一つの道具としては十分活用できるもののようです。またその優れたシステムによって平均手術時間は早いと報告されていました。

・放射線照射された骨の血流量
放射線照射された骨は、オッセオインテグレーション(インプラントと骨の結合)を阻害すると報告されています。特に照射量が50Gyを超えるとインプラント生存率は低下します。照射骨では、細胞数が減少し、低酸素状態になり、血流が減少していることが示されています。その結果、骨のリモデリング能が減退し、インプラント生存率が低下すると考えられています。
研究の結果、放射線照射が施行された上下顎歯槽骨は、非照射骨と比較して血流量が減少しているであろうという仮説が確かめられました。またこの研究で用いられた装置(LDF)は歯槽骨の血流量の評価に再現性があると確認されました。しかしまだしっかりとした線引きには至らないので今後の研究が楽しみであります。

・インプラントの表面性状に関する研究
チタンインプラント表面へのオッセオインテグレーションには、物理的性質と化学的性質の両者が影響します。表面形態や粗さなどの物理的改変は、インプラント埋入から回復までの治癒期間を短縮します。化学的改変は、インプラント表面におけるイオン相互作用やタンパク添加、細胞活性に影響を及ぼします。さらに生体内の複雑なタンパクあるいは細胞同士の相互作用を通じ、生物学的な反応に変化をもたらし、最終的には臨床レベルのエビデンス(科学的根拠)にまで影響を与えます。
研究の結果、インプラント表面の化学的改変がオッセオインテグレーション中の生物学的変化に影響するという説を支持するものです。これらの事は、インプラント治療の治癒過程を促進し得るもので、インプラント治療の短縮につながり得るものとして期待し見守りたいものです。


ラベル:インプラント
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2008年03月10日

世界で行われているインプラントの研究報告@

世界的に有名なインプラントの研究結果を発表する文献より2点ほど紹介いたします。とても専門的になっています。

@審美インプラント治療のポンティック部(インプラントを埋入しない中間部)における治療方法:
現在、審美領域におけるインプラント治療は、補綴主導型インプラント治療のコンセプトが広まり、単独歯欠損症例においては非常に高い完成度を目指すことが可能になってきています。しかし、複数歯欠損に対し、インプラント治療によって天然歯同様の審美性を与えることはいまだに困難です。
この研究では多数歯欠損をインプラントによって審美的に治療するための戦略的に歯牙を保存した方法です。インプラントの材料や形態など日々改善が進められていますが、周囲の骨、軟組織を健康な頃と変化なく維持するのは天然歯を超えるものはないであろうという考えのもと進められています。
とにかく今の状態を壊さないように最大限に配慮した方法といえます。ただ、誰にでも適応できるものではなく、かなり条件が絞られる事、矯正治療も不可欠となるなど、時間的制約のある人にも難しいと言えます。ただ、審美的に回復するための一つの有効な手段となり得ることを示唆しています。


A下顎臼歯部の骨中間挿入移植(骨が垂直的に吸収している場合に用います):
著しい垂直的骨欠損は骨量不足のためにインプラント埋入を困難に、あるいは不可能にしてしまう事があります。下顎臼歯部に下顎管という神経が存在するからです。今までにも仮骨延長術や垂直的骨移植、ショートインプラントなど様々な手段が用いられてきました。サンドイッチテクニック(骨中間挿入移植)は水平的に1か所、垂直的に2か所骨切りを加え、移植骨(腸骨)を挟み込むものです。近年、下顎臼歯部へも応用されるようになってきました。
この研究発表は経過観察(平均38カ月)も良好でインプラント周囲の骨吸収が0.9mmであったと報告されています。ただし仮骨延長術と同様、サンドイッチテクニックの限界として、垂直的骨欠損のみが修正され、水平的骨欠損の修正はわずかであるという弱点はあります。下顎臼歯部が著しく骨吸収しているインプラント治療を行う時の一つの手段として有効な方法と考えられます。


ラベル:インプラント
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