2012年10月05日

インプラントトラブルに関する報道について

 口腔インプラント治療は歯を失った場合のブリッジや入れ歯に代わる治療法であり、自分の歯を削らなくても良いこと、取り外す入れ歯ではなく固定するブリッジも可能となることから注目され、日常臨床で行われています。しかし、口腔インプラント治療には一般の歯科治療以上に適切な検査や診断、インプラントの埋め込み技術、かぶせ物(ブリッジなど)の適切な製作と装着が要求され、さらに治療に対する利点と欠点、リスクなどを十分に説明する責任が求められております。口腔インプラントを希望される患者には、比較的十分な骨が在り全身的にも健康な方から骨が無くまた全身的に疾患をもっておられる方まで様々な方々がいらっしゃり、これらの方々に対して歯科医師であればだれでも口腔インプラント治療を実施することが可能です。
 公益社団法人 日本口腔インプラント学会は口腔インプラントに関する研究を推進し、患者さんにより質の高い口腔インプラント治療を提供するために設立された学会です。この目的のため平成19年より口腔インプラント専門医制度を立ち上げ、患者さんに「安全・安心の口腔インプラント治療」を提供すべく様々な取り組みを行ってきております。この口腔インプラント専門医は学会で認定した研修機関での5年間の臨床経験と、知識を問う筆記試験、面接試験、症例報告試験などを高い水準でクリアした歯科医師であり、その数は平成24年6月の時点で784名です。これらの試験は簡単なものではなく、さらにこの専門医資格は5年ごとの更新が必要で、その間に進歩する新しい診断技術や治療法を研修し、更なる安全・安心な医療を提供するため、学会で企画する専門医臨床技術向上講習会や教育講演、認定講習会などを受講する義務があります。この点から、本学会が認定する口腔インプラント専門医は高いハードルが課せられていると言えます。しかしながらこの口腔インプラント専門医は、厚生労働省が定める看板やホームページ等に掲載可能な専門医としては認められておりません。我々は、専門医を公的に認めて頂き、国民の皆様へより安全・安心な口腔インプラント治療を提供すべく努力を重ねていきたいと考えます。
 患者さんにはインターネットや広告等に惑わされることなく、適切な口腔インプラント治療を行える医療機関、歯科医師を選んで受診して頂きたいと思います。なお、公益社団法人 日本口腔インプラント学会専門医の名簿に関しては、本学会のホームページをご覧いただければと思います。

平成24年7月1日
公益社団法人 日本口腔インプラント学会

2009年07月29日

インプラント治療のトラブル(失敗や問題点)@

インプラント治療のトラブル(失敗や問題点)
インプラント治療は現在多くの歯科医院・大学病院で非常に多く行なわれています。そして残念ながらトラブル(失敗や問題点)も報告されています。きちんとした知識と技術に基づいてインプラント治療は行なわれないと大きなトラブルや失敗になってしまいます。ここでは、大きなトラブル・失敗になる前にきちんと対応できるように歯医者も一緒になって確認してみましょう。

インプラント治療トラブル(失敗や問題点)その@
〜インプラント手術後、1週間経過しても疼痛(痛み)が持続している。
インプラント手術後の痛みは反応性炎症が主で、通常一過性のものです。手術の大きさ範囲等によりますので、一概には言えませんが、術後1週間を経過しても疼痛(痛み)が持続している場合は、手術部位の感染、あるいは隣在歯とインプラントが近接し、歯根膜炎様の疼痛(痛み)を邪気していることを考えます。

対応:
・手術部位の排膿、膿瘍形成等の術後感染所見の確認
・血液検査による急性炎症所見の確認
・エックス線画像の確認
臼歯(奥歯)であれば・・・下顎は神経損傷の確認
・・・上顎はサイナス(上顎洞)穿孔の確認
・インプラントと隣在歯の関係・・接触あるかの確認
・心因性疼痛(痛み)の確認

歯科医院・大学病院(歯医者)サイドの予防策
細菌感染対策と手術部位の解剖学的構造の充分な把握
・ 慢性感染巣
インプラント埋入手術処置部位の近くの慢性感染巣(根尖病巣、歯周病、上顎洞炎など)の存在は、インプラントへの感染や感染病巣の急性転化等を引き起こし、化膿性炎症による疼痛(痛み)の原因となります。感染病巣はインプラント処置手術前に治療をしておくことが原則です。
・ 術後感染予防
インプラント埋入手術は人工物を生体に埋め込む治療であり、通常の創傷治癒と比較し創閉鎖を遅らせる傾向にあります。したがって軟組織が治癒するまでの期間(5〜7日間)は予防的抗菌薬の投与が必要です。抗菌薬の種類は抜歯等の小手術に準じて選択します。歯科医院(歯医者)サイドは患者さんが服用しないことも想定すべきです。現在、ジスロマック等は短期間の服用で長期間の効果が得られます。特にジスロマックSRは1回の服用で1週間の効果があります。このようなことも考えてくれる歯科医院(歯医者)は、患者のために優しいといえます。
・ 解剖学的構造物の把握
インプラント周囲の解剖学的構造物(下歯槽神経、上顎洞、隣在歯)と予定するインプラントとの三次元的位置関係をレントゲン、模型等で充分に確認しておくことが必要です。
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